2007年9月10日月曜日

親に読ませている出題

 昨年分は勿論、本年春の出題にも、かなり目を通したつもりですが、国語の問題の中で、「あ、これ、子供たちに出しているのでなくて、それを読むであろう親へのメッセージではないか。」とまで感じたのが、昨年春の海城中学校、国語の二番。小柳晴生さんの「ひきこもる小さな哲学者たちへ」からの出題です

 まず、良い子のイメージの一つに「学校から帰ったらさっさと宿題をすませてから遊ぶ」というのがあり、気がかりのないスッキリした心の状態にすることを良しとする価値観(=「強迫性」という傾向)を表すと説明があります。ところが、年齢が上るにつれ、気がかりなことは片づけても片づけても湧き上がり、大人になるというのは、いつも曇り空のような世界を生きることなのだと。そして、気がかりをスッキリさせようとする性向はかえって生活に支障をきたし、気がかりは気がかりとして心に置いて、スッキリしない状態を受け入れて折り合う力がいる。心の中にいろんな部屋があってつらいことがあっても、同時にうれしいことを入れておくスペースがあることが求められる、としています。加えて、これと同じことは社会全体でも言え、スッキリした状態を求めて社会から自分と合わないものを排除すると社会の活力や寛容さが失われ、誰にとっても生きにくい社会となると締めくくっています。

 おっしゃるとおり、我が家でも「さっさと宿題をすませる」型の、スッキリ思考しかして来ませんでした。ですから、(愚息がこの問題文の奥深い部分を身をもって実感したかどうかはわかりませんが、)親のほうが、今後子供にひいてあげるレールをどのようなものとしなければならないのか、思わず考えさせられたのです。
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