2007年5月31日木曜日

算数その2<もったいない>

 もったいない・・・環境保護活動家で、ノーベル平和賞を受賞されたワンガリ・マータイさんも、日本語の「もったいない」という言葉に感銘を受けられたそうです。

 そして、愚息もこの言葉を、算数の先生から赤ペンの大きな文字で頂きました。

 時期は6年生の秋口。算数の思考力を鍛える日曜日の授業で、授業前に2問のテストがありました。そのうちの1問を、まったく何も書かずに提出したところ、先生は、バツをつけるの でなく、「もったいない」の一語を大きく書いて下さったのです。

 なるほど。「ここまでは食らいついて、理解したんだよという姿勢を示さないといけないんだね」と、愚息と会話。そして次回以降そのようにしたところ、徐々に部分点を頂けるように なりました。一見とっかかりがわからない問題も、正攻法で少しずつ考えて、それを書き記すことで一定の点数は頂けるようです。
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 事実、2月1日の本試験の晩、おそるおそる算数の問題を小生が見て、「どう答えた?」と 聞いてみたのですが、「ああ、この問題は正解に達しなかったな」と内心で落胆した問題もありました。それでも、算数が足を引っ張らず、何とか入学のお許しを頂いたのは、おそらく部分点のお陰だろうと思っています。

 「もったいない」「MOTTAINAI」の語を見るたびに、先生の有難い赤ペンを思い出すのです。

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2007年5月30日水曜日

算数その1<間違いのクセ>

 話題がとびとびになって、恐縮です。

 5月22日の本ブログで話題にした算数「小問」のための問題集。「計算間違いするなよ、100点とるのが日課だよ」とプレッシャーをかけ、間違い問題は、どこで間違ったか自分で納得するまで計算し直すようにさせました。

 5年生の秋ごろに、「もうそろそろ、毎日100点にならなければいけないだろう」と、点数の推移を見ていると、なぜか数日に一度、70点や80点になっていました

 当初、「100点が続くと、軽く考えて、手抜きし出すのかな」と思っておりました。が、しばらくつきあっているうちに、原因がわかりました。

 そうです、問題集の問題の出し方が、5日ごとに新しいタイプのものに変わり、その後の4日間は、1日目の数値や若干の設定を変更した問題になっていたのです。

 つまり、愚息は「初物に弱い」。あるいは、「変化球に弱い」。以後、できる限り多くの種類の問題にまんべんなくあたっておくことに留意するようになりました。
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2007年5月29日火曜日

テレビとのつきあい方

 通常の夕食時の一時間弱は仕方がないとしても、塾帰りが遅い日、「早く食べ終えて風呂に入らないと(あるいは、宿題を終えないと)、睡眠時間が減って明日困るだろう。」と気をもむ小生をよそに、愚息はテレビを楽しんでおりました。

 大好きだったのは、「TVタックル」や「その時、歴史は動いた」。一方、塾の先生からは、「歴史ドラマを見たって、社会の点数にはつながらない」と、単刀直入かつ辛辣なご指摘を保護者会で受けていたこともあり、せめて一年間は、テレビもほどほどにして点数につながることに集中して欲しいとイライラしたのです。

 「はい、次のCMのところでお風呂」などと、なだめながら"進行管理"したのですが、ふり返ってみると、親が我慢した割合のほうが高かったように思います

 今になってみると、このような方式であった効用が一点。受験生時代に禁欲的に生活しすぎて、中学受験が済んだとたんタガが外れっぱなしになって、二度と輝きや切れ味を取り戻せない子も少なくない中で、愚息の場合、現在も、テレビと勉強の両方を、とりあえず自分でバランスをとりながら続けています。この点が、親が一方的に締めつけすぎなかった「効用」でしょうか。
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2007年5月27日日曜日

社会の論点その1<集団的自衛権>

 集団的自衛権などという、大人でも十分に説明しきれない用語が、模試や教材に出てきます。そこで、5年生の時の夏ごろだったでしょうか、こういうたとえ話で説明しようとしました。

 「日本を“のび太”とするね。のび太は、自分から喧嘩(戦争)は始めない」
 「うん、弱いから」
 「弱いからだけど、自衛するだけで、侵略はしないって、決めている。
  しかし、ジャイアン(敵国)が急に攻めて来ることがある」
 「そしたら、ドラえもんに助けてもらう」
 「そう、ドラえもんが同盟国だ。じゃあ、助けてもらうのび太だけど、もし
  ドラえもんがジャイアンに不意打ちされたら、どうすべきなの?
  仲間なんだから(同盟関係)、やっぱり助けてあげる(集団的自衛)でしょ」
 「う~ん・・・・・・。
  ドラえもんは、“どこでもドア”で、うまく逃げるから、助けは要らない」
 「・・・・・・」

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 オチがついてしまいましたが、先日、テレビを見ながら、再び集団的自衛権の話しになった際、愚息が言ったひとこと。
 「ドラえもんがいじめられたら助けてあげなければならないけれど、でも、ドラえもんが見当違いないたずらをしてジャイアンを怒らせたときはどうなるの?
 漫画だと、多分、“一緒になって逃げる”だろうけど」

 徐々に、いっぱしの理屈を言うようになってまいりました。
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2007年5月26日土曜日

選ばれる自治体

 本日(5月26日 土曜日)の日経新聞1面左上、シリーズ「ニッポンの教育」に、素晴らしい記事が掲載されています。題して「選ばれる自治体」。東京都足立区立五反野小学校における、地域の声が小学校運営に反映される取り組みが紹介されています。

 「今の子供に足りないこと」を議論し、
 ・毎朝15分の基礎反復ドリル
 ・あいさつの習慣づけ
 ・保護者による教員評価
などを、地域の力で実現されたようです。

 勿論、財政的に裕福な都市部の団体だけでなく、お金がなくても工夫された地方の事例も紹介されています(三重県津市の「学費ファンド」の例)。

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 かつて、人口(特に若者)の流出に悩んでいた地方に勤務した際、JC(青年会議所)や自治体の幹部の方々にお話しする機会を頂戴し、

 「第一に義務教育、第二に保育。これに加えて、医療と高齢者福祉の4点にお金や人的資源を集中させれば、この街この県に住もうという人は格段に増えますよ。」

と、ゆっくり易しく説明したのですが、あまりピンと来なかったようです。

 上記の記事は、義務教育はどこでも同じという均質神話は崩れ、自治体が教育の質で住民側から選ばれると締めくくっていますが、まさに来るべき時代が来て、教育と日本を再生してゆく扉がやっと開こうとしていることを感じたところです。
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2007年5月25日金曜日

秘伝の暗記法?

 暗記の話題で思い出しました。高校の先輩が大学受験の時に編み出したと、我々クラブの後輩に伝えられた暗記法

 グエホニコパ

 おわかりになりましたか? ヒントは地理。国名です。勿論、国名そのものではありませんね。
 正解は、覚えにくい中米諸国を、北から順番に並べたときの国名の頭の文字
 グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ

 味気ないのですが、国名を覚えておくのは地理の基本。しかし、本当に紛らわしい国々も多く(失礼)、こうした覚え方で国名をおさえ、地図上の位置・気候・特産品・日本との関係・時事問題をチェックして、こうした国々について「一丁あがり」にしたのです。記憶をまとめてコンパクトにしておく、いわば「索引」のような機能だったのです。調子にのって、この方法を「東京とほぼ同緯度にある都市の名前」など、かなりの項目に応用しました。
 暗記苦手の小生が、先輩に心から感謝したことは言うまでもありません
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2007年5月24日木曜日

手をかけ過ぎた その2

 「親が手をかけ過ぎたかな」と反省した話をもう一つ。

 算数は、得意でも苦手でもなかったのですが、速さ・割合に比べると、平面図形が少し弱めでした。いきおい、小生が説明する回数は、多めに。しかし、6年生の夏休みに、ふと気がついたのです。

 「今まで、親が図を書いてみせ、問題の説明をしていたけど、もしかすると、この作図を自分でしていないことが、"図形に対する感覚"の育成を妨げているかもしれない

 不安に思ったことはすぐ実行しろ、という主義なので、以後、「平面図形の問題がわからない」と愚息が小生に言ってきたときは、「まず、自分でノートに図を書いてごらん」と言い、その図に書き込ませながら小生が説明しました。

 最初は作図も遅く、効率も悪かったのですが、冬頃には見られる程度のものになり、また平面図形の成績も、他分野並みになっておりました。作図と得点に因果関係がどれほどあったかは定かでないのですが、図面上で考える習慣をつけさせる効果はあったと思います。

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2007年5月23日水曜日

手をかけ過ぎた

 反省しています。受験の時は、時間も無く、効率性重視ですごさねばならなかったため「算数の宿題はやった? 国語の読解問題は解けた? 学校の宿題は範囲までやってある?」と、小生が矢継ぎ早にせきたてながら“進行管理”していました。

 また、「提出プリントは持った? 今日の授業の教材は? 地図帳は?・・・」と、“歩くチェックリスト”をしておりました。

 しかし、ツケがまわって来ています中学校で配られたプリント、提出物などについて「あれがない、これがない」を、しょっちゅう繰り返しています。今さっきまで、明日の時間割をあわせながら、プリントをどこにやったか、大騒ぎしておりました。もともと低学年の頃から、学校への置き忘れ(持ち帰り忘れ)が多かったのも事実です。

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 「クラブに時間取るどころじゃないじゃないか。一年かけて普通の中学一年生の暮らしができるようにならないと。」こうは言うものの、親としても、手をかけ過ぎた反動だと理解し、反省しております

 効率良く受験生活を送ることと、生活力を身につけることの兼ね合いなのですが、ややバランスを欠いた2年間でしたので、この1年、「何をやっているのだろう」と思っても親もじっと我慢して、人並みの手際よさを身に付けさせねばならないと感じております。
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2007年5月22日火曜日

優秀な「東大脳」の就職先

日経BPネット 立花隆の『メディア ソシオ-ポリティクス』」の、2007年3月16日号「第101回 東大の『産業総論』で露呈 日本人の知力崩壊が始まった」を読んで、大変驚きました(リンクを張って良いか不明でしたので、お読みになる方は、恐れ入りますが、上記キーワードで検索サイトをご活用下さい。)。

 立花隆さんが東大工学部で「産業総論」の授業を受け持たれた際のことをもとに書かれています。それによると、国際的なコンピュータープログラミングのコンテストが、多くのIT企業がスポンサーになって実施されているが、真の狙いは、応募してくる若手の優秀な技術者を囲い込んでしまう、つまり雇ってしまおうというところにあるそうです。そして、優秀な人材は外資系企業(とりわけ、アメリカの世界規模IT会社。良い処遇を提示しているのでしょうねぇ。)に引き抜かれつつあるというのです。だから、「日本の情報産業に未来はない」と。

 誤解をおそれず身近な例で説明すれば、

 「甲子園を経て日本の球界に入った方が、良い条件でどんどん大リーグ入りしてしまう」

のと、ある意味同じ構図です。

 このほか、世界と比較してみて日本の学生さんたちのプログラミング力が向上しない背景として、数学的に考えるという基本的な頭の働かせ方「ゆとり教育」の影響もあって育っていないという指摘もございます。

 言われてみれば、この2年間というもの、毎日毎日、いわゆる「算数小問」のための問題集を「全問正解」することばかりに愚息を追い込んでいたような気がして、しばし、空を見ながら反省しつつ思い悩んでおりました。
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2007年5月21日月曜日

書いて覚える?そのまま覚える?

 塾から頂いた社会科の資料を、目をつぶり口で唱えては、正解かどうかを確かめるという動作を繰り返していた愚息。それも方法の一つだけれど、しっかり覚えるのには別の方法も併せて行うべきだと考えた小生は、次のように言いました。

 「ねぇ、時々はどんな紙にでもいいから、一回書いてみて覚える方式もとらないと。字が正しく書けているかのチェックだって必要だし。」

 これに対して愚息が答えた一言。
 「塾の先生は、『書いて覚えるのは古い』って。『キミたちは、書かずに覚えられる』って。

 ま、確かに若いうちはどんな記憶方法でも覚えられるという趣旨なのでしょうが、はたして記憶のための手法に「新しい」「古い」があるものなのでしょうか。また、一つに決めてしまえるものなのでしょうか。

試行錯誤しながら自分にあった方法を見つけるということも、受験の際の大きな財産だと思います。 どなたか、記憶法の新旧について、ご教示下されば幸いです。

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2007年5月20日日曜日

社会科は、頭から丸暗記?

 こんな時期に風邪ひいて、3日ダウンしました。元気を取り戻して、再開です。

 さて、覚えるべき事項が多い社会科ですが、愚息は塾から配布された何種類かの資料を頭から丸暗記すると思っていて、「覚えられない。覚えられない。」と、うんうんうなっていたことがありました。

 中身は、日本と主要諸国からの輸入品目の上位を抜書きしたもの。小生の高校・大学受験時は、自分で「日本国勢図会」から抜書きして覚えましたので、「随分、手回しの良い塾なんだ」と感心していました。

 ただ、各国別輸入品の第1位~5位を頭から(念仏のように)暗記しようとしていたので、「ちょっと待ってごらん。『機械類』とか『精密機械』のように、ほとんどの国で出て来るものを理屈ぬきに覚えても、あんまり意味がないでしょ。国別に見て特色がある項目を理解して、国とセットで覚えておかないと、肝心な時に思い出せないし、応用が利かなくなるから。」と言って、例えば次の項目を説明しました。

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 アメリカの2位 航空機。いつも乗っているジャンボ機は、何社製だっけ?
 ドイツの2位  自動車。塾に迎えに来てもらっているコウスケ君の車、ドイツ製。
 ドイツの4位  医薬品湿しんの薬は、ドイツの会社名だったね。
 フランスの2位 バッグ類。ウチには一個も無いけど(半泣)、有名ブランド品
 フランスの4位 ぶどう酒フランスワインだね。 
 大韓民国の3位 鉄鋼。かつて日本の主要産業だったけど、韓国で安い鉄鋼が生産されてついに鉄を輸入するようになったんだね。

 塾のご方針は丸暗記だったのかもしれませんが、小生が丸暗記苦手だったもので、ついつい口をはさんでしまいました。でも(理解抜きの)丸暗記が上手な方って、あまり多くないように思いますし、社会に出てからでも受験みたいな丸暗記が必要になった記憶はありませんので・・・・
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2007年5月17日木曜日

国語の読解その5<テレビ的視点の効果>

 問題を解きながら、自分の中で「テレビ番組のような視点」で、情景を思い浮かべるということが、愚息の場合は役に立った分野があります。

 それは、「詩」の分野。

どういうところから作者(TVカメラ)は見ている?
時間帯はおおよそ何時ぐらいかな。
何で、作者が昔のことを回想した(回想シーンに突入した)のかな。
  ・・・・等々の質問をし、情景を一緒に考えました。

一時期持っていた詩に対する苦手意識を払拭するぐらいの効果は、ございました。


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国語の読解その4<テレビ的視点と象徴>

 テレビを題材にして、国語の「象徴」という技法を理解したという話を3回前(12日)日に書きましたので「テレビ的な視点」が国語の読解に役立ったという例を一つ。

 事例は、昨年春の聖光学院中学校、国語の三番目。出典は瀬尾まい子さんの「狐フェスティバル」。出題部分の概略は、中学3年生の「僕」と小学生二人が、地域対抗で「狐がえり」を踊ることになっているが、人数が足らず、都市から転校してきた子を再三誘う。しかし、断られ続けた。そこで一計を案じて、近くの川で獲った鮎を手土産に頼みに行くが、その子は鮎を見るなり「気持ち悪い」と悲鳴をあげた。にもかかわらず、何度も「僕」たちが鮎をあげようとしたので、とうとう鮎の入った袋を払いのけ、落ちた袋から鮎が飛び出した。土に投げ出された鮎は、なんとも情けない格好をしている・・・・

 そこで問題。
問4 「土に投げ出された鮎は、なんとも情けない格好をしている」とありますが、この表現は何を象徴していますか(以下略)。

 正解は、「鮎の情けない姿は、朝からの努力と期待をはねつけられた「僕」の情けない気持ちを象徴している。」なのでしょう。

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 「象徴」を問う問題ですが、これを解いた後での、我が家での会話。
 小生「この、『土に投げ出された・・・』の場面、テレビドラマだったら、どうなってるかな?」
 愚息「テレビなら、急に、鮎がアップで映るよね」
 小生「そのあと、どんなカットになる?」
 愚息「多分、『僕』たちが、こんないい物をあげているのに信じられないという顔、困った顔、がっかりした顔
 小生「その心境を、鮎が象徴してるんだろうね

というわけで、「テレビ的な視点」で、小説における登場人物の気持ちや「象徴」について考えてみたのでした。

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2007年5月16日水曜日

プレジデントFamily「妻は夫の協力を・・・」

 プレジデントファミリーの5月号(先月号)。合格発表会場で、アンケートを配ったり写真を撮ったりしていました。合格の嬉しさからあやうく親子の写真OKを言ってしまうところでしたが、思いとどまってよかったです(←小生が、風采のあがらぬオヤジなもので)。
 ところで、そのP72に、面白い特集。題して「妻は夫の協力をどう取り付けたか「基本的に男親っていうのは受験に非協力的ですよね」で始まる、5人の母親の対談です。
小項目のタイトルを拾うと、  
1 夜食デートで会話を増やす (筆者注 「会話」=夫婦の会話の意) 
2 説明会に同行させその気にさせる  
3 夫の得意分野をおだてまくる  
4 窮状を訴え続ける
と、夫の協力を少しずつ、匍匐前進するようにして獲得するために、実に涙ぐましい努力をされています。

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 へぇ、世の中は、そうなっていたんだ、とあらためて感心しました。
 そうです、我が家は「私は忙しいのッ! 今、決算期なの!」「ハ、ハ、ハイッ! 私が見ます」というやりとり一発で、小生が120%愚息の勉強を見るという、世間的には珍しいパターンが決まりました。

 でも、「自分だって、一つずつ努力していけば、結果を出せるんだ」と愚息が自信を持てるようにしようという小生の考えは、日を追うごとに愚息に伝わり、子と父のコミニュケーションがはかられました。その意味で得がたい2年間だったと思います。また、愚息がそう感じるようになるまで関わって、よかったと思っております。
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2007年5月13日日曜日

高名な大学教授のお嘆き

 ある時に、仕事でお世話になった、情報工学の高名な大学教授の方に、「今の学校教育のどこが問題だとお考えですか?」とうかがうチャンスがございました。

 すると、即座にお答えになって曰く、

 「第一に、ペーパーによる受験万能主義! その受験に関係ないことを、小さい頃から切り捨てている。典型例が理科の実験と観察。小学校でもどんどん少なくなっている。
  第二に、教える先生も、実験や観察が現実にうまいかどうか、そうした力をもっているかどうかを、教員試験で調べていないのでないか。教員試験もペーパー主体だから、実験や観察という部分がどうしても反映されなくなる。かくして、実験や観察を『面白いことだ』『熱意を持って子供たちに実験・観察の面白さを伝えよう』と考える小中学校の先生が必然的に少なくなっている。理科系離れというが、単に『理科系は実験が大変だって先輩が言ってたから、文科系にしとこうか』という大学受験生が増えたからだけでなく、小学校、いやもっと小さい頃から実験や観察に好奇心を持たないような仕組みに、いつの間にやらなってしまった。」。
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 確かに、小学校5年生の時の授業参観で、アルコールランプを満足に消せない子がいたり、「フナの解剖、もうやった?」と愚息に聞いたら「そんな怖いこと、やらないよ」という答えが返ってきて、愕然としましたが、根が深いということを、この先生から教わったのでした。 

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2007年5月12日土曜日

国語の読解その3<小道具>

 象徴だけでなく、一定の意味を込められた「小道具」が用いられる出題も多いようです。8日のブログに引用した世田谷学園の出題では、父のくれる甘いバナナが、父の優しさを感じる際の「小道具」になっています。
 ただ、象徴にしろ小道具にしろ、小生がこうした手法に関心を持ったのは、大学に入ってから。映画に夢中になり、一時、映画制作についてや、シナリオの手法について学んだころに関心を持った記憶があります。
 当時の大学入試だって、「これは○○の象徴だ」「そっちの小道具は、どんな働きをしているのかな」などというようなテクニカルな“読解方法”を知らなくても、正面から読んで理解して、正解に到達できるものでした。「それを思えば、最近の中学入試は、何とハイレベルなのだろう」と、とんでもなく驚いたのです。

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  試験問題ばかりを題材にして「これは何を象徴している?」「小道具はどう役立っている?」と話すのも味気ないので、NHKの大河ドラマを見ながら、愚息と次のようなやり取りをしておりました。

 「今、雨が降って雷まで鳴っているのは、何を象徴してると思う?」
 「実際に雨の日で、雷が鳴っているんじゃないの?」
 「ドラマで雨になるのは登場人物が心の中で泣いていることの象徴で、雷が鳴るのは登場人物の怒りや激しい精神的葛藤を象徴しているんだよ」
 「そうっか。織田信長や豊臣秀吉の時代には雷がよく鳴って、水戸黄門の時代になると気候が安定していい天気が続いて、旅しやすくなったとばかり思っていた。」

 試験問題を題材にした会話が、愚息のとんでもない誤解を解いたようです。
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2007年5月10日木曜日

先生は、強かった

 昨日の「繰り上がりを小さく書くか」の補足です。

 愚息に、「繰り上がりを小さく書いたほうが、間違いが少なくなるんじゃないの」と、小生が言ったときの反応。

 「いや、先生が、繰り上がりの数字は書かないと、はっきりおっしゃった。」

頑として、小生の言うことは聞き入れませんでした。 「先生 > 小生」  の状態。

 「間違いやすいのに、何でそうしろと、先生はおっしゃったの?」
 「理由は、よくわからない。」

理由も、しっかり教えて頂ければ有難かったです、ハイ。

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計算のしかた

 例えば、27+64  という計算問題があったとき、縦に書いて、計算しますね。
まず一の位を 7+4=11 と計算します。このとき、小生の世代は、繰り上がる10の印として忘れないように、小さく「1」を、27の「2」の右上あたりに書き、次に十の位の計算を 1+2+6=9  としたように記憶しています。

 掛け算も同じく、 78×19=  という問題で、まず、 78×9 を計算するとき、 8×9=72 の「7」を小さく書いておいて、 十の位の 7×9=63  の結果と足して、つまり 63+7=70 と計算して、この部分の計算解 702 を書きます。

 引き算だって、繰り下がる分を小さく書いたはずです。

 ですが、愚息の小学校は、小さく書くことをせず、すべて記憶で済ませる方式でした。
ちなみに、低学年の時にお世話になった、近所の算数塾も同じ。しかし、一見スマートに見えるこの方式こそが、愚息の「計算間違いによる失点」の、最大原因でした。

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 全国の学習指導がそうなったのか、単にうちの小学校の「ローカルルール」なのかは定かでありません。皆様の学校はどんなご様子ですか?

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2007年5月9日水曜日

国語の読解その2<象徴 続き>

 昨日記した問題文の「霧」のように、象徴には、登場人物の心境や状態をそのまま表すものもあれば、まったく正反対の様子を表すものもありますね

 登場人物は思い悩み、また沈み込んだ状態だが、ふと見上げた空は、いつもにまして晴れ渡っ て澄んでいるというような設定のとき、空は登場人物の心境の対比となって象徴していることになります。こ の説明を聞いたときの愚息と小生の会話。

愚息「だめじゃん。それじゃ、文章全体読まないと、何かを表しているのか、反対を表しているのか、
    わからないじゃん。」
小生「そのとおり!お見事。
   、作者が仕込んだ
   、象徴の意味が
   、素直でストレートなものを表すか
   、正反対の意味を表すかは、
   、その文章全体の意味から考えます。 お見事!
    (以上 児玉清さん風、というより真似をしている博多華丸さん的)」

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以後、「象徴がわからない」という"苦情"は、ほとんど無くなりました。 
児玉清さん、博多華丸さん、有り難うございました。
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2007年5月8日火曜日

国語の読解その1<象徴>

 小説で、描写されるあるモノが、実は登場人物の心境を象徴しているというのは、大人なら「そうだろうな」と思う常識。ですが、12歳の小学6年生には、時には重荷になるようです。
 事例は、昨年春の世田谷学園中学校の出題、国語の一番。出典は小澤征良さんの「おわらない夏」、自らの子ども時代をふり返って書かれているようです。
 出題部分の概略は、「私」の家族がサンフランシスコに住んでいた頃、時差のある旅行をして明け方に目が覚めると特別に嬉しかった。なぜなら、夜中に目が覚めるのは、おなかがすいたからだと考える父がバナナを出してくれ、静まり返った夜中のキッチンで、父とほんのりと甘いバナナを食べることができたからである。霧のむこうにサンフランシスコの街やゴールデンゲート橋が、霧のむこうに見え、夜中のバナナには深くたちこめる霧が本当によく似合う。・・・・・というものです。

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 そこで問題。
問6 「夜中のバナナには深くたちこめる霧が本当によく似合う。」とありますが、「私」がそのように考えるのはなぜですか。「霧」の動きに注目して、理由を二つ、それぞれ30字以内で記しなさい。

正解は、
 ・霧がかかる夜景と、眠気で意識がぼやけることが似ているから。
 ・霧に包まれて輝く夜景が父の優しい愛情を感じさせるから。

あたりなのでしょう。「霧」が包むことが、いったい何を象徴しているのかを問う、深く味わいのある出題だと思いながら、「五里霧中」状態の愚息の顔をのぞき込んでおりました(次回に続く)。

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2007年5月6日日曜日

お二人の先生

  「東大脳」ならぬ「問題脳」になっていやしないかと自身を省みるとき、とりあえず今のところ悪い“症状”が出ていないのは、二人の先生のお蔭だとしみじみ感じます。
 お一人目の先生は、小学校の時の担任の先生。「どんなことにも、自分ならどうするという意見を持って、しかもすぐ手をあげて発表する。そして、ほかの人の意見は、黙って聞く。あっているとか間違っているとか、一切言わない!」というのが教育のご方針でした。その年、筆者のクラスは、保護者会で親がビックリするぐらい、手が上り、全員が元気になりました。ともかく自分で考えてみるという習慣は、この年につけていただいたと思います
 そしてもう一人。大学の時の民法の先生。たしか入門編の講義の時に、近年、話題となっている高金利による貸し金の問題(グレーゾーン金利の問題)がとりあげられました。授業終了後、「そんな問題のある高金利ならば、法律で貸せないように、罰則の範囲を下げていったらいいのではないですか。」と質問に行った小生に、先生は、

 「高い金利でも借りるという需要が、社会にはある。需要が一方にありながら、ただ法律で罰則をかけるだけでよいのかということは、きちんと考えないといけない。およそ、社会で起きている事象はすべてそうだろうが、表面から見て『不思議だな』と思うことにも、社会的な背景があってそれが起こっているものなのだ。」

と、おっしゃいました。高金利でも借りるという事情は、社会人になって程なく理解できたのですが、その後も、様々な対策や新商品を考えるとき、マーケティングや各種報告の数値に不思議なことを見つけ、とことん実情を調べて背景を探り、そのことで何度も助けられました

 今でも思い出す先生のお言葉です。

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2007年5月5日土曜日

極めて優秀な「東大脳」

 再び、東大脳の話題。今から足かけ10年前に遡ります。女性総合職の中でもピカイチ、東大法学部時代の成績もトップクラスとの評判で、鳴り物入りで小生がいた企画部局に来られた久美子さん(仮名)。残念ながら、一緒に仕事をした一年余りの印象は、「かなり潔癖症&高飛車で、自身の意見が通らなければ、仕事の相手方に対してかなりきつい態度に出る。しかし、仕事の出来具合そのものは、“可もなく不可もなく”レベルで、周囲の期待を裏切っている。特に、一番肝心な、問題点を見つけて自分なりに企画する部分がまったく無し。」。「この頃入って来る人は、このレベルかな」と思いかけたあるとき、思わぬところで、彼女の鍛えられた「東大脳」を知ってしまったのです。
 それは、仕事上、一定の打ち合わせを外部の方と行い、役員にすぐ報告する必要があったので、彼女をメモ取りに同席させたとき。「手書きでいいから、早めに、先方の依頼事項を箇条書きにして」と頼んだところ、程なく、きれいにまとめられた打ち合わせ記録を出してきました。先方が話した内容、当方がそれに対して示した論点、今後のスケジュールなどが、簡単なチャート入りでまとめてあり、下線や赤色文字も使っている。ちょうど、“きれいな法学サブノート”を見ている状態でした。そう、彼女が長けていたのは、

  いろいろな方の話(講義)を聞いて、要点を整理すること
  それをきれいにノートに書くこと

であり、このノートを作れれば、さぞかし期末テストの点数も良かったろうと感じました。しかし、それ以外の「東大脳」は鍛錬の機会を逃したのか、オンザジョブトレーニング(仕事をしながらの訓練)の不備か、見るべきものが少なかったのです。
 その後、「だめんず」的な(失礼!)恋におち、今度は「私、今シアワセなのよ」レーザービームを部内で乱射して周囲を「負傷者」だらけにしたあげく、反対するご両親を振り切って駆け落ち的に寿退社されました。ささやかに職場全員からお祝いをしたのですが、御礼はもとより、挨拶状の一枚も無し。少なくともその後数年間、どこに消えたのか、人事担当も知らない状態でした。すばらしく鍛えられた「講義を聴いて、ノートを作る」という東大脳と、それ以外の落差は余りにも大きかったのです
 以後、わが職場の採用のあり方に変化が起きたことは、付け加えるまでもありません。

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2007年5月4日金曜日

国語の入試問題から(その4家庭生活を問われる)

 昨年春の灘中学校の国語(第二日目)の第三番。「食卓一期一会」と題する長田弘さんの詩から、「言葉のダシのとりかた」「ふろふきの食べかた」の二編が出題されています。言葉の使い方や日々の過ごし方を料理の話と重ね合わせた詩で、人としてどのような態度で過ごしたいかということを表現したものだと理解しました。
 そして、この問題で、思わず唸った点が二つ。
 一つ目が、ダシの取り方そのものを知らないと、正解にたどり着けないことです。作者は、「言葉のダシのとりかた」において、「言葉=かつおぶし」「意味=昆布」に喩えているのですが、ダシをとる一般的な方法が、昆布とかつおぶしを使い、かつ、それがどのような手順なのかを知っていないと、正解が出てきません
 二つ目が、「ふろふきの食べかた」で、「ふろふき」がどんな食べ物かはわかっているとしても、「スが入った」とはどういう状態なのかを理解していないと、正解が出てきません。
 家のお手伝いを良くしたり、あるいは食卓で「これは、こういう風にして作ったんだよ」という会話をしていれば、特に難しい話ではないのですが、正直、我が家では(特に5年生以降)手薄になっていた部分です。
 「親として、キチンと子供に伝えるべき基本を伝えていますか?」--家庭生活そのものを問われた気がして、親として大いに反省した問題でした。

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2007年5月3日木曜日

特待制度は悪くない~高校野球問題の前時代性~

 大きなニュースになっているので、一言。高校野球で、全国で376校の高校が、日本学生野球憲章に違反した野球特待生を設けていたとのことです。
 違反したといわれるのは、日本学生野球憲章の第13条第1項、

第十三条 選手又は部員は、いかなる名義によるものであっても、他から選手又は部員であることを理由として支給され又は貸与されるものと認められる学費、生活費その他の金品を受けることができない。(以下略)

という部分。

 小生の意見は、特待制度を止めるのは愚策で、むしろ、多くの分野に広げるべきというものです。(勿論、プロ野球が学生にお金を出しに行くのは、問題ですが、高校が特待で募集することに問題は無いという立場です。)

(1)とびぬけた才能やセンスを小さいうちに見出し
(2)それを大事に育て延ばしてゆく
というシステムは、スポーツや棋士だけでなく、芸術や文化などあらゆる場面に必要だと思います。

 私がこうした高校の責任者なら「選手又は部員であることを理由として」に該当しないようにする、つまり、野球部に入ったり選手になることを一切条件とせずに、
  「キミの素質は、将来大リーグに匹敵する素晴らしいものだから」
という理由
で、特待制度を適用します。
 事実、こうした特待で育成されてきた方々が中心となって、WBCで世界一になったわけで、杓子定規にことを進めれば、「いつもどおりの横並びで、きわだった能力を伸ばせない国」に逆戻りです。

 出身県以外からお誘いが来て野球留学するのが過剰だと言われますが、本来、今、地方や企業が必要なはずなのは、有為な人材です。各地や各企業が競争して人材確保に走って当然です。なのに、それをせずに「地域が寂しくなったので、何とかしてほしい。」ばかりを言っている気がします(小生の田舎も、その典型例です。)。そんな中で、ただひとり地方の高校が野球という人材確保に走っているのがおかしいというのは、本末転倒だと思います。また、プロ野球に入るまで成長した選手が「高校時代3年間は、○○県でお世話になりました」と語るのを、むしろ地元の人は楽しみにしています。

 多少力を込めて、受験ブログでこれを書いたのは、「むしろ、数学・理工系分野でも特待生を作り、大学側から積極的にスカウトに走るべき」と常々思ってきたからです。高校時代、「こいつ、何でこんなに、数学でひらめくんだろう。もしかしたら、世界レベルで通用するかも」と思った同級生が2~3人いましたが、例外なく、

  数学ができる人は、東大理Ⅲ(京大医、慶応医)

の公式にすっぽりはまり、今や、勤務医として順調に活躍されています。

 医学界の人材確保には良かったのでしょうが、金融工学で新しい公式を考え出したり、日本版ビルゲイツが育ったりする芽を、こういう受験思考が摘んでいると危惧しています。適正な特待制度やそうした発想が、歪んだ志望動向や偏った人材配分を是正すると思います。スポーツ、芸術、文化、理数系など、才能を見出せる分野については、特待制度で人材を確保して、責任をもって大きく育成するという発想でないと、国の将来は危ういと感じています。   以上、長くなりました。

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2007年5月2日水曜日

小学校の宿題のこなし方

 宿題の「処理」などとは書いてません。あくまで「こなし方」と書いてます。

 能書きはともかく、頭の痛かったのが、小学校の宿題。とりわけ、小学校の方針が「土日祝日は宿題を出さず、平日に出す」だったので、塾と重なった平日の晩は大変でした。

 しかし、そのうちに、あまり器用でない愚息も、一つの方法を考え出しました。
 「うん、今日の宿題は、学校の10分休みと昼休みに、全部やってきた。  
  だから、塾の宿題だけやれば、今日は早く寝ることができる。」

  多忙な中、初めて自分で編み出した「工夫」でした。
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2007年5月1日火曜日

私立中学と進学塾の関係

 いろいろあった「受験ビックリ」シリーズの中で、比較的大きなビックリが、「私立中学校と大手進学塾の情報交換の場」のお話。ある中学校の関係者からうかがったところによると、こうした意見交換会があるのだそうで、私立中学校側は最近の情勢を把握できるというメリットがあるようです(当然のことながら、公正な情報交換の場であって、特定のところにナイショ話をするわけではないでしょう。)。
 なあるほど。確かに、その昔小生の時代に「名門」と言われた学校が、塾で配られた“偏差値表”で思いのほかのところにランクされていた例があるのですが、同僚(何年か前にご子息の中学受験を経験してます)の解説によると「塾や模試が予想できない独特な問題を毎年出す学校なので、塾からも受験生からも、毎年ちょっとずつ敬遠されてきた。」。説得力ある解説です(この解説が正しいかどうか、確かめようはありませんけど)。私立の中学校にとって、塾側との関係がギクシャクして、何等プラスにはならないということなのでしょう。
 国内の観光地のホテル旅館と大手旅行代理店の関係によく似ていると、勝手に納得しておりました。
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