2007年5月8日火曜日

国語の読解その1<象徴>

 小説で、描写されるあるモノが、実は登場人物の心境を象徴しているというのは、大人なら「そうだろうな」と思う常識。ですが、12歳の小学6年生には、時には重荷になるようです。
 事例は、昨年春の世田谷学園中学校の出題、国語の一番。出典は小澤征良さんの「おわらない夏」、自らの子ども時代をふり返って書かれているようです。
 出題部分の概略は、「私」の家族がサンフランシスコに住んでいた頃、時差のある旅行をして明け方に目が覚めると特別に嬉しかった。なぜなら、夜中に目が覚めるのは、おなかがすいたからだと考える父がバナナを出してくれ、静まり返った夜中のキッチンで、父とほんのりと甘いバナナを食べることができたからである。霧のむこうにサンフランシスコの街やゴールデンゲート橋が、霧のむこうに見え、夜中のバナナには深くたちこめる霧が本当によく似合う。・・・・・というものです。

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 そこで問題。
問6 「夜中のバナナには深くたちこめる霧が本当によく似合う。」とありますが、「私」がそのように考えるのはなぜですか。「霧」の動きに注目して、理由を二つ、それぞれ30字以内で記しなさい。

正解は、
 ・霧がかかる夜景と、眠気で意識がぼやけることが似ているから。
 ・霧に包まれて輝く夜景が父の優しい愛情を感じさせるから。

あたりなのでしょう。「霧」が包むことが、いったい何を象徴しているのかを問う、深く味わいのある出題だと思いながら、「五里霧中」状態の愚息の顔をのぞき込んでおりました(次回に続く)。

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