2007年5月17日木曜日

国語の読解その4<テレビ的視点と象徴>

 テレビを題材にして、国語の「象徴」という技法を理解したという話を3回前(12日)日に書きましたので「テレビ的な視点」が国語の読解に役立ったという例を一つ。

 事例は、昨年春の聖光学院中学校、国語の三番目。出典は瀬尾まい子さんの「狐フェスティバル」。出題部分の概略は、中学3年生の「僕」と小学生二人が、地域対抗で「狐がえり」を踊ることになっているが、人数が足らず、都市から転校してきた子を再三誘う。しかし、断られ続けた。そこで一計を案じて、近くの川で獲った鮎を手土産に頼みに行くが、その子は鮎を見るなり「気持ち悪い」と悲鳴をあげた。にもかかわらず、何度も「僕」たちが鮎をあげようとしたので、とうとう鮎の入った袋を払いのけ、落ちた袋から鮎が飛び出した。土に投げ出された鮎は、なんとも情けない格好をしている・・・・

 そこで問題。
問4 「土に投げ出された鮎は、なんとも情けない格好をしている」とありますが、この表現は何を象徴していますか(以下略)。

 正解は、「鮎の情けない姿は、朝からの努力と期待をはねつけられた「僕」の情けない気持ちを象徴している。」なのでしょう。

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 「象徴」を問う問題ですが、これを解いた後での、我が家での会話。
 小生「この、『土に投げ出された・・・』の場面、テレビドラマだったら、どうなってるかな?」
 愚息「テレビなら、急に、鮎がアップで映るよね」
 小生「そのあと、どんなカットになる?」
 愚息「多分、『僕』たちが、こんないい物をあげているのに信じられないという顔、困った顔、がっかりした顔
 小生「その心境を、鮎が象徴してるんだろうね

というわけで、「テレビ的な視点」で、小説における登場人物の気持ちや「象徴」について考えてみたのでした。

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