2007年9月13日木曜日

知識は無いと困るが、知識量勝負ではない

 昨日の続きです。同問題では、続いて、あいがも農法の写真(田んぼで鴨が泳ぐ写真)を見せ、その農法名と良い点、理由を50字で説明させています。
 おそらく、塾の教材にもこのごろは出てくるのでしょうが、やはり、実地またはテレビで見て、「へぇ、面白い。カモが田んぼを泳いでる。何でこんなことするんだろう。」と、好奇心を持たないと、なかなか深い理解はできないと思います。そこをついてきている問題。

 そして、最後は、戦後の米・小麦の需給の変化データと世界の小麦輸出データを与えたうえで、「戦後の日本の、米の生産と消費、小麦の生産と消費の変化について、それぞれ食生活の変化に結びつけて(中略)200字以内で説明しなさい。そのとき、給食にご飯が取り入れられた理由、給食がアメリカ の利益にもなった理由についてかならずふれること。」という、高度な記述式問題です。

 こうなると、もう知識量の問題ではないように感じます。家庭・学校はじめ自分の周りにある事象を通じて、平素から、自分なりに考える訓練をしているかどうかがテストされています。食生活変化で米余剰になり、学校給食にも米飯が出ること、消費量が増えた一方で輸入依存を強めた小麦は、結局アメリカ依存になったことなどは、知識だけを詰め込んでもなかなか自分の言葉で説明できないと思われ、遠回りでも、自分でしっかり考えて理屈を組み立て、意味がわかっていないと対応できないでしょう。

 その意味で、こうした、知識量でない、思考訓練をどれほどしているかをためす問題は、素晴らしいことだと思いますが、受験する者にとっては手強い問題だと言えます。
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